日本に来る外国人はどんな在留資格で日本に入国している?香港人の在留資格は?日本ビザの統計を調べてみました

今年10月に、出入国在留管理庁から2024年上半期の外国人入国者数等の統計が発表されました。

外国のみなさんは、どんな在留資格で日本に入国しているのでしょうか?在留資格の内訳はどうなっているでしょうか?
また、香港人はどのような傾向があるのでしょうか?

この記事では、外国人入国者数の統計を、表とグラフを見ながら解説していきます。

この記事を書いている人

Siulam シウラム

  • 申請取次行政書士、宅地建物取引士
  • Visaおよび用地のコンサルティングをメインとして活動中
  • 香港渡航歴数えきれず。在住経験あり。
目次

【第2表】 国籍・地域別 外国人新規入国者数の推移

公表資料は第1表から第8表まであります。今回は在留資格と香港人に関係するところだけ見ていきます。

まずは第2表から。

第2表:概要

第2表は国籍・地域別の外国人新規入国者数の推移です。これは海外から新たに入国した人数です。既に日本に滞在している人は含みません。

※表は見やすいように筆者の方で項目を抜粋・装飾してあります。また、3%未満は「英国〔香港〕」を除いてその他にまとめました。

抜粋【第2表】 国籍・地域別 外国人新規入国者数の推移

総数を見ると、コロナが明けてから入国者数が急増しているのが分かります。2024年上半期は前年比61.6%の増加でした。

入国者総数16,414,025人のうち、中国〔香港〕は1,213,006人、さらにBNOパスポートの英国〔香港〕が35,805人(同0.2%)ですので、合計1,248,811人でした。

この1,248,811人という数字は他国と比べてかなり大きいです。
香港の総人口は2023年現在で753.6万人(香港統計數字一覽2024年版)ですから、人口の約1/6です。
これは半年分のデータなので、単純に2倍して1年あたりで考えると、約250万人、すなわち香港の人口の約1/3の人が日本に来ているということになります。

ちなみに、新規入国者数が一番多い韓国は人口が約5,178万人です(2023年11月現在)。新規入国者が4,345,783人ですので、人口の約1/12の人が上半期に入国したことになります。
このことから、人口比で韓国の2倍の香港人が入国していることが分かります。

第2表:構成比

次に2024年上半期の国籍・地域別外国人新規入国者数の構成比(%)をグラフにしてみました。

2024年上半期の国籍・地域別外国人新規入国者数の構成比(%)

中国〔香港〕は総数の7.4%、BNOパスポートの英国〔香港〕が0.2%となり、合計で総数の7.6%を占めています。米国に次いで5位でした。

【第4表】 在留資格別 外国人新規入国者数の推移

次は第4表を見ていきましょう。

第4表:概要

第4表は在留資格別の全外国人新規入国者です。

【第4表】 在留資格別 外国人新規入国者数の推移

もちろん、旅行者が大部分を占める「短期滞在」が一番多くて98%ですが、他の在留資格はどうでしょうか。

第4表:構成比

「短期滞在」を除いたグラフを当方で作成してみました。なお、構成比2.0%未満は「その他」に分類しました。

2024年上半期 新規入国者の在留資格の構成比

これを見ると「留学」が一番多く28.6%、次に「技能実習」23.7%、「特定技能」9.0%と続きます。

「技能実習」とは、外国人技能実習制度(国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度)の下に与えられる在留資格です。

「特定技能」は深刻化する人手不足への対応として、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるために創設された在留資格です。

この2つの在留資格については、また別の機会に詳しく説明したいと思います。

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期) 

第4表では、全外国人のうち、「留学」、「技能実習」、「特定技能」の在留資格が多いことが分かりました。

最後に第5表を見ていきましょう。

第5表:概要

第5表は国籍・地域別に在留資格を集計したものです。
中国〔香港〕と英国〔香港〕は筆者の方で赤字にしてあります。

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期)

在留資格別ではどの国籍が多いでしょうか。ランキング形式で見ていきましょう。この項も「短期滞在」は省きます。

第5表:在留資格別 国籍ランキング

留学

まずは「留学」から。ベスト5を抜き出しました。

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期)ランキング 留学

「留学」は1位が中国、2位がネパール、3位がベトナム、4位以降はミャンマー、韓国と続きます。
中国が1位なのは予想できますが、2位がネパールというのは個人的には意外でした。

技能実習

次は「技能実習」です。

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期)ランキング 技能実習

「技能実習」は1位がベトナム、2位がインドネシア、3位がミャンマー、以降はフィリピン、中国と続きます。

特定技能

続いて「特定技能」です。

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期)ランキング 特定技能

「特定技能」の国籍は1位がインドネシア、2位がミャンマー、3位がベトナム、4位以降はフィリピン、中国と続きます。
上位5ヶ国は「技能実習」と似たような国籍が並んでいます。    

「特定技能」にこれらの国が並ぶのは、日本との間で特定技能に関する二国間の協力覚書を作成しているからです。2024年11月現在で17ヶ国がこの協力覚書を作成しています。

なお、香港と日本の間でこの協力覚書は作成されていません。この協力覚書がある国以外は「特定技能」で入国できないのかというとそうではありません。詳しくは別の記事で紹介したいと思います。

第5表:香港人の在留資格

それでは、新規入国する香港人の在留資格の内訳はどうでしょうか?

【第5表】 国籍・地域別 在留資格別 外国人新規入国者数(令和6年上半期)香港人の在留資格

「留学」が一番多く、合計790人。「留学」が多いのは総数と同じですね。

次に多いのが「特定活動」で合計279人でした。「特定活動」という在留資格は、どの在留資格にも当てはまらない場合に特別に許可される在留資格です。

3番目に多いのが「家族滞在」、4位が「技術・人文・国際業務」でした。

総数で多かった「技能実習」は0人、「特定技能」は7人と低い数字でした。
これら2つの在留資格は、開発途上国等の外国人が日本で技術を学んで本国へ持って帰るという意味合いが大きいので、香港人には馴染まないからと思われます。

まとめ

以上の統計から、下記のような香港人の傾向が読み取れました。

  • 1年間に香港の人口の約1/3の人数が短期滞在で来日している。
  • 香港人で1番多い在留資格(短期滞在を除く)は「留学」。
  • 「技術・人文・国際業務」の割合が多い。
  • 他国で多い「技能実習」と「特定活動」は極めて少ない。

今回のデータは、第5表で「その他」の在留資格の内訳が示されていませんでした。
また、既に日本に入国して滞在中の外国人のデータを含んでいませんでした。

これらについては別の統計がありますので、また別の機会にご紹介したいと思います。

では、下次見!

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